NIジャパンブログ

【翻訳記事】アレッポへの市民マーチ


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画像をクリックするとCivil March for Aleppoウェブサイトが表示されます


難民の足跡をたどるため、ヨーロッパ各地から人々が参加し、ドイツからシリアに向かって歩いている。この「アレッポへの市民マーチ」は、昨年12月にスタートし、これまで1,000人以上の人々が参加している。ほとんど参加者は、数時間から数日の参加だが、全行程3,400キロを歩き通すことを目指す人もいる。

参加者たちは、難民とは逆の南下するルートをたどり、テントやスポーツ施設に泊まりながら、9月にはシリアに到達する見込みだ。もし、戦争で荒廃した国に入国できない場合は、トルコ・シリア国境から平和のメッセージを送る予定だ。

チェコ共和国でこのマーチに参加した25歳のキャシアは、次のように語った。「私は、消極的姿勢と自分自身の無力感が嫌になり、歩いています」

しかしシリア人の中には、このマーチをボイコットした人もいた。その理由は、マーチの運営者たちが、シリアの反体制派の独立旗ではなく、白旗(平和、民主主義、自由を象徴したもの)だけを携行すると決めたからである。また彼らは、この国境を超えた活動にシリア人の声が十分に反映されていないと非難している。だが一方では、この連帯の企画についてソーシャルメディアを使って歓迎を表明する人々もいる。◆

by リディア・ヌーン


2017年4月号NI501p9 March for Aleppo の翻訳です。



  1. 2017/04/23(日) 23:31:14|
  2. 市民・ムーブメント

【翻訳記事】預金は黒人オーナーの銀行へ(米国)


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OneUnited Bankのウェブサイト。「20人の友達を#BANKBLACKへ誘ってみよう」と書かれている。


米国の黒人たちは、多数公表されている警察官による殺人に対抗するため、経済的な力をつけることに目を向けている。

キャンペーン活動家らは、黒人が所有する全国318金融機関に預金を移動するよう人々に強く呼びかけた。6月に「#BankBlack」というタグがソーシャルメディアに登場し、何千もの預金移動に拍車をかけた。例えばワシントン商工銀行では、2カ月間の新規口座開設数がこれまでの平均100口座から3,000口座に激増し、預金額は600万ドルに上った。

黒人所有銀行としては米国最大のワンユナイテッド銀行は、低所得層と中低所得層に対して1995年から10億ドル以上の融資を行ってきた。同銀行は今回のキャンペーンの成果として、「黒人コミュニティーに対するより多くの仕事、利用しやすい住宅ローン、きちんとしたファイナンス活用のための教育」を挙げた。

またこのキャンペーンは、偏見に満ちた組織、例えば融資の際にマイノリティーを差別して6月に1,060万ドルの罰金を科せられた金融機関バンコープサウスなどから、資金を引き揚げることも勧めている。◆

by トム・ローソン


2016年12月号NI498p9「#BankBlack(United States)」の翻訳です。c498-100.jpg



  1. 2016/12/30(金) 02:25:21|
  2. 市民・ムーブメント

【翻訳記事】黒人アメフト選手の抗議方法

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コリン・キャパニック
tomCC BY-SA 2.0


ひとりの抗議活動がいかにして米国中に影響を与えたのか、マーク・エングラーが解説する。

サンフランシスコ49ersは、米国のアメリカンフットボールチームである。その選手のひとりコリン・キャパニックが、2016年8月26日のグリーンベイ・パッカーズとの試合の直前、有名な決定を行った。彼は国歌斉唱の際、立ち上がらずにひざをついたままの姿勢でいたのである。

キャパニックはその姿勢について、人種差別とアフリカ系米国人に警察が行う野蛮な行為に対する抗議だ、と説明した。彼は、「私にとってみれば、それはアメフトよりも深刻なことです。それに目をつむることは、私にとって過ちになると思います。街中には死体が転がり、殺人者がおとがめなしで大手を降って歩いているのです」と述べた。

しかし中にはキャパニックは愛国心がないと考える人もいる。9.11以来、試合前の国歌斉唱は、愛国心を誇示する行為となっている。そして米国国防総省は、この行為を支えるために、プロスポーツチームに多額の寄付を行ってきた。

もちろん、抗議の方法が間違っているとの批判は常に多数ある。リベラルな人々の中にも、キャパニックは敬意を払っていないと言う人もいる。

しかしキャパニックは、他の試合の前にもひざをつき、彼の主張ははっきりしていた。ニューヨーク・タイムズ紙の記者は次のように書いた。「アメフトの試合を見たことがない人、あるいは国歌を聴いたことがない人、または米国の人種関係について全く知らない人でも、キャパニックの抗議の写真を見せればそれが何であるかを理解するだろう」

そして重要なのは、他の人々がその抗議方法をまねできるということだ。

キャパニックが、最も嫌われた米国のスポーツ選手の仲間入りをしたと思われたころ、ある興味深い現象が起こった。サンフランシスコ49ersの別の選手エリック・リードが同じ行動をとったのだ。彼は言った。「私は彼に知って欲しかったのです。彼と同じように感じているのが彼だけではないということを」

そのほかのアメフト選手も同様の行動をとった。マイアミドルフィンズのアリアン・フォスターは、たくさんのチームメイトに抗議を呼びかけた。カンザスシティ・チーフスのマーカス・ピータースは国歌斉唱の際、1968年のオリンピックの際のブラックパワー・サリュート[訳注:メキシコ五輪の陸上競技の表彰台に立った2人の黒人選手が人種差別に抗議するため、国歌斉唱の間、黒い手袋をした拳を突き上げていた行為のこと]のように、拳を突き上げた。

9月中旬までには、多数の抗議が異なるスポーツでも行われた。女子サッカーのスター、ミーガン・ラピノー(彼女は白人)は、抗議のためにひざをついた。彼女は言う。「私たちの国の問題に関して、有色人種の人々だけでなく、皆で抗議する必要があります」。女性バスケットボールのチーム、インディアナ・フィーバーでは、試合前に全員がひざをついた。

高校のスポーツチームも同様だった。オークランドでは、学校の吹奏楽部が国歌を演奏する時にひざをついた。プロバスケットボールチームのサクラメント・キングスの試合では、国歌を歌う歌手がひざをついた。そしてファンさえもが同じ動作をした。

ニューヨーク・タイムズ紙は、2カ月間に多数のキャパニックが全国でひざをついたと報道した。多くの保守的なアメフトファンはキャパニックに賛同していない。しかし、キャパニックの背番号7番のユニフォームの売り上げは増加した。

社会運動においては、どのような抗議方法が最適なのかということをめぐり、常に議論が起こっている。抗議する人々は、役立つ方法と役立たない方法について話す権利を持っている。

しかし、他人の抗議を批判するだけで自分で何もしないのは、好ましいことではない。キャパニックの例にならった多くの人々は、適切な行動を起こした。あちこちでたくさんのキャパニックが、ひざをついている。

by マーク・エングラー
最近“This Is An Uprising: How Nonviolent Revolt Is Shaping the Twenty-first Century” (Nation Books)が出版された。ウェブサイトはDemocracyUprising.com

この記事は、An American footballer makes a protestのシンプル英語版(Easier English)の翻訳です。

※シンプル英語版はシンプルな英文にするために、単語、文章構造、引用が変更されている場合があります。シンプル英語版の翻訳と英文で概要をつかんだら、今度はオリジナルの英文を読んでみましょう。

参考:こちらのNew York Daily News紙のサイトでは、抗議の姿勢をとる選手たちの写真が掲載されています。
Athletes standing up against social injustice during the National Anthem



  1. 2016/12/27(火) 20:56:34|
  2. 市民・ムーブメント

【翻訳記事】社会を刺激する人々:10歳のトランスジェンダー活動家チャーリー・ラウティアン-リッケルト


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パレードの先頭を行くチャーリー
(NI497p33)


トランスジェンダーの権利のために声を上げ、私たちを勇気づけてくれる10歳を、シャン・グリフィスが紹介する。

びしょ濡れになったチャーリー・ラウティアン-リッケルトは、赤いオープンカーに乗ってオタワ・プライド・パレード2016の先頭を進んでいた。「あなたを愛している、チャーリー!」と叫ぶ多くの人々に向かって、チャーリーは熱心に手を振っていた。今年大活躍したチャーリーが参加したパレードは、激しい雨をものともせずに進んだ。

青い花柄のドレスを着たチャーリーは、彼女が自分で認識したようにどこから見ても少女に見える。しかし彼女は男児として生まれ、弱冠10歳にしてすでに一人前のトランスジェンダー活動家だ。

「私はただ、メッセージを伝えたいのです」と彼女は説明する。「LGBTQ[訳注:レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クィアの頭文字で、性的マイノリティーを示す言葉]の周囲にいるそうでない人々の中には、LGBTQコミュニティーのことを本当に恐れていたり嫌っていたりする人がいくらかはいます。私たちがどんな人間なのかを知ってほしいし、私たちの近くでも快適に思ってもらえることを分かっ
て欲しいだけなのです」

聴衆への基調講演でチャーリーは語りかけた。「みなさん、私は私が大好きな人々、性の多様性を認めるコミュニティーを守りたいのです。私が感じているような幸せな気持ちを、彼らにも感じて欲しいのです。そして、いかなる性であろうとも、彼らは普通で、すばらしい贈り物であることを知ってほしいのです」

チャーリーは史上最年少でパレードのグランド・マーシャル[訳注:パレードの先頭を走る車から観衆に手を振る役割]という栄誉に輝いたが、この選択は当然のことだ、とオタワ・プライド・パレードの責任者のタミー・ドップソンは述べた。この役割は、「政策提言や教育を通じて彼らの暮らしを向上させて」彼らが十分に生活を楽しめるよう刺激を与えた人物に与えられることになっているのだ。

「彼女はただの10歳ではありません!」とドップソンは言う。「今後20年で彼女がどのような人物になるのか、私は楽しみです。彼女は10歳とは思えず、非常に落ち着いています。彼女は、彼女のような人々をより安心させ、孤独感を和らげています」

チャーリーへの注目は急上昇している。彼女は2年前、弱冠8歳の時に、カナダの上院議会で行われたトランスジェンダーの人々を差別とヘイトクライムから守る法案の議論の場に、両親に付き添われて参加した。しかし、米国でもそうだったように、カナダでもトイレをどうするかが政治的課題に浮上した。保守党が提出していた修正案は、トランスジェンダーの人々に対し、出生時の性別に基づいてトイレを使用するよう制限する内容だった。チャーリーは憤慨したが、人権NGOのアムネスティ・インターナショナル、ジェンダー・モザイク、その他のLGBTQグループの代表者たちと一緒
に座り、「オリンピックの時にするように聖火を掲げ、私の声を彼らの声に加えるようにと心を動かされました」という。

彼女は、カナダ議会前で行われた「オキュポッティー(Occupotty)」[訳注:occupy(占拠)とpotty(おまる)の造語]と呼ばれる抗議活動で、「私たちをトイレに行かせて」という歌を歌い、いくつもの便座が置かれた前に立って集まった人々に、トランスジェンダーにとってトイレの問題がなぜ重要なのかを語った。この抗議活動は全国的に注目を集めた。

トランスジェンダーの人々は、そうではない人々よりもトイレでは強い恐怖を感じる、とチャーリーは言う。「とても安全とは言えません。もし私が男子トイレに行ったら、『何なんだ、どうして女がここにいるんだ? 待てよ、これは絶好のチャンスだ』と思われてしまい、私は恐ろしい目に遭う可能性もあるのです」

彼女は、新しい法律がトランスジェンダーの人々に安心を与えるようなものになることを望んでいる。2016年5月、自由党の新たな司法相でチャーリーの側に立つジョディ・ウィルソン-レイボールドは、トランスジェンダー差別禁止法の導入を再び目指すことに決めた。ウィルソン-レイボールド司法相はチャーリーにとって心強い新たな政治的協力者で、10歳の彼女のことを「その年齢以上に賢い」と述べた。一方チャーリーはウィルソン-レイボールド司法相について、「国会議員の親友」と言った。

もちろん彼女は、この活動が家族の支援無しにはできないことを理解している。

「私たちは娘がいじめの一番の標的になることは望んでいません」と母親のアンは言う。小学校や住んでいた地方のコミュニティーでいじめに遭い、家族はオタワに引っ越した。オタワでは、チャーリーが受け入れられるだけでなく、成長できる学校を見つけた。アンは現在、チャーリーをガールスカウト、ヒップホップダンス、スケートボードイベント、キャンペーン活動に送り迎えするため、忙しい毎日を過ごしている。

オタワでは、若者のホームレスの半分がLGBTQで、彼らは路上生活を送っている。その理由は、彼らが家族から拒絶されていると感じているからである。チャーリーはこの統計データを強く意識している。

「オタワの[トランスジェンダーの]子どもの43%が自殺を考えたことがあるのです」と彼女は言う。「私は幸運な方なのです。現在発せられている、すべての声なき声のために、私は声を上げていきます」◆

シャン・グリフィス
オタワを拠点に仕事をするフリーランスのラジオとネットのジャーナリストで、ドイツ国立放送局、ドイチェ・ヴェレ(ドイツの国際放送局)、BBC、ガーディアン紙、クリスチャン・サイセンス・モニター紙などの仕事を行っている。


2016年11月号NI497p33「Making Waves:Charlie Lowthian-Rickert」の翻訳です。c497-100.jpg



  1. 2016/11/30(水) 01:18:01|
  2. 市民・ムーブメント

【翻訳記事】難民に電話代を寄付(ヨーロッパ)


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ギリシャのレスボス島に着いたシリアとイラクからの難民
Photo: GgiaCC BY-SA 4.0




あるフェイスブックのグループは、命を救ったり別れ別れになった家族が連絡をとれるようにしたりするために、見知らぬ人たちの思いやりを役立てている。

そのグループ「難民と避難民に電話料金を(Phone Credit for Refugees and Displaced People)」は、他に類を見ないグループだ。今年2月1日に立ちあがったこの組織は、ヨーロッパの難民キャンプで足止めされている人々に携帯電話の電話代を寄付としてチャージ[訳注:電話番号を指定してあらかじめ電話料金を入金しておく]するようにヨーロッパの人々に呼び掛ける。最初の4カ月で、1万4,000のフェイスブックメンバーが9万2,000ドル相当の電話代を寄付し、2,800人の難民が家族と連絡をとり、翻訳アプリとGPSで避難中の人々の道案内も行われた。

携帯電話の電話代のチャージは命にかかわることもある。4月には、アフガニスタンからの避難途中だった7歳の男の子アーメッドが、隠れていたトラックの貨物室が酸素不足になって助けを求めて緊急のテキストメールを送ってきた。彼は1週間前に、このグループから電話代のチャージを受けたばかりだった。

このグループの創設者ジェームズ・ピアスは、「彼にとってそれは生きるか死ぬかでした」と言う。グループは、需要に応じるために苦労しているが、ピアスはこの不可欠なサービスを続けていくことを決心している。◆

by リディア・ノーン
http://nin.tl/RefugeePhoneCredit




2016年9月号NI495p9「Top-ups for refugees (EUROPE)」の翻訳ですc495-100.jpg



  1. 2016/09/30(金) 02:06:30|
  2. 市民・ムーブメント
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