NIジャパンブログ

【PDF版】2016年4月号「世界の森林を守れ」メイン記事をアップしました


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補足:2011年12月号でNI日本版が休刊となって以来、NIの翻訳記事はメルマガ配信によるテキスト形式のみでした。今回Keynote(メイン記事)だけですが、4年4カ月ぶりに冊子形式にレイアウトをしてみなさんにお届けすることができました。専従スタッフがいない中、活動は難しい部分もありますが、今後は読みやすいフォーマットで可能な限りお届けできればと思いますので、ぜひ応援してください。メールマガジンの購読、ツイッターでのリツイート、Facebookでのいいねをよろしくお願いします。


山が淡い緑から濃い緑まで緑のグラデーションに彩られる新緑の春。そんな4月のNIのテーマは「Saving the world's forests(世界の森林を守れ)」です。そのメイン記事「Last stand(最後の抵抗)」の翻訳をアップしました。

森林は、資源としてだけでなく温暖化を抑制する要素としてもその重要性が認識されており、森林破壊を心配する人も多いと思います。しかし国連食糧農業機関(FAO)によれば、2000年から2010年にかけて行われた植林の面積は5,000万ヘクタールに上るそうで、伐採された面積をマイナスしても実質的に森林面積の減少はゼロに近くなります。森林破壊を心配する人も、少しはホッとしたでしょうか。

しかしこの植林の中身を見ると、アブラヤシ(「エコな」石けんからアイスクリームまで幅広く使われているパーム油をとる)やユーカリ(コアラのえさではありません。紙パルプの原料になります)など、その地域にはもともとなかった樹種を産業用に植林したものが多く含まれており、地域の再生や地域環境に配慮した植林とは言えないものです。

このような植林により、地域の植生は様変わりし、その環境変化は動物への影響も大きく、またその森の恵みで生きてきた地域の人々の生活も一変させてしまいました。このようなことが東南アジアから南米まで、実際に起こっています。

またもちろん、地域によっては森林伐採によって深刻な水不足に見舞われているブラジル南東部などの例もあります。

森林破壊に関しては、森林面積や植林面積だけでなく、森林の質と地域の環境、森林の下流域への影響や人々の暮らしも含めて心配する必要があるということですね。

英語版の記事はこちらのNIのウェブサイトで閲覧できます。


※2016年4月号NI491c491-200.jpg





  1. 2016/04/30(土) 12:43:54|
  2. 環境・資源
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【翻訳記事】黒い金がとれる国の貧困


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サウジアラビアの店員
by edward musiak (CC BY-SA 2.0)

「裕福なサウジ」。この2つの単語は常に結びついているように思える。しかし、ポール・アアツとキャロライン・ローラントは、ほとんど隠されている別の現実に光を当てる。

オンライン番組Mal3ob3lena(Malob Aleyna、私たちはだまされているの意)で、ドキュメンタリー「サウジアラビアの貧困」が放映された。これは、首都リヤドの郊外5キロメートルにあるスラムに住む極端に貧しい人々を取り上げた内容だ。

荒れ果てて密集している家々、不衛生な通りにはゴミが散乱し、ぼろを着た子どもたちが遊んでいるが、中にははだしの子どももいる。

地元のイスラム教の指導者は、子どもたちは町で麻薬を売るために利用されていると語った。さらには、純粋に生活のために、父親は自分の娘たちに売春をさせている。

このドキュメンタリーで扱った内容は、2011年の放映の数週間後に監督が刑務所送りになるほど微妙なものだった。

しかしまた、「給料だけではやっていけない」というハッシュタグで実施されたツイッターのキャンペーンも、2013年夏の最初の2週間で1,000万回ツイートされ、黒い金がとれる国の貧困に注目を集めるものとなった。

統計

サウジアラビアと言えば、膨大な原油埋蔵量や、宮殿のような豪華マンションを米国、スペイン、ロンドンに所有するスーパーリッチのエリートがいることで知られている。

しかし、ひとり当たりの国内総生産(GDP)は5万2,300ドルで、近隣のカタール(13万7,200ドル)やクウェート(7万700ドル)、アラブ首長国連邦(6万6,300ドル)ほどの金持ちではない。
[訳注:日本のGDPは3万6,230ドル(2014年)]

だが、国内の収入格差は劇的なほどだ。

サウジの1世帯当たりの収入は月3,800ドルで、1世帯の平均人数は6人である。

社会サービス省の公式統計によれば、貧困ラインは1カ月あたり480ドルとなっている。ダーランにあるキング・ファハド石油・鉱物大学の主要な経済学者のひとりは、独自に計算を行った。「政府の統計はまったく信頼できません。私は、国民の35%は月533ドルよりもずっと少ない額でやっていかなくてはならないレベルだと考えています。彼らは貧しいのです」

これらの数字は、先日リヤドで行った経済専門家たちとのインタビューでも確認された。

極貧生活の人々もいて、そのような人々はアジール、ジザン、ナジランなど顧みられることのない地方に暮らすが、大都市に暮らす人々もいる。リヤドのアルスワイジ、ジャラディヤ、アルシマイシや、ジェッダのアルカランティナ、アルロワイス、アルサラマといったスラムについては、どこも同じような状況で劣悪な評判が耳に入る。そこには極貧のサウジ人だけでなく、外国人労働者も住んでいる。いくつかの情報源によれば、外国人労働者の平均的月収は266ドルだという。

スラムの端を通る町の中心に向かう道路沿いでは、主に体を覆った女性の物乞いの姿が日常の風景となっている。また、Youtubeにアップされた別のドキュメンタリーでは、サウジ人女性が慈善団体の建物の外で自分の状況を説明している様子が写されていた。彼女は、離婚した4人の娘たち(それぞれ4人~7人の子どもがいる)と一緒に老朽化した家にぎゅうぎゅうの状態で住む。この家族の月収は372ドルだが、家賃は298ドルに値上げされた。彼女は言った。「他の人々のように食べ、暮らしてみたいのです」

移民労働者と失業中のサウジ人

貧困問題の大部分を占めるのは雇用問題である。公式統計では、失業率は男性11.7%、女性32.8%と比較的低い。しかし専門家は、オフレコではより高い数字を口に出す。石油企業ARAMCOの上級幹部(匿名を希望)によれば、それは27~29%近くで、20~24歳の若者では33%に増加しており、24~29歳では38%となっているとのことだ。

もし人口の3割を占める900万人の外国人労働者を帰国させれば、もしかすると貧困問題は解決するのかもしれない。いや、そういう話は机上の論理だ。現実は違う。失業者中のサウジ人が、外国人労働者が従事するような仕事に必要な技能や意欲を持っていることはまれである。

長い間政府は、外国人労働者の人数を制限してサウジ人の就労者を増やそうとしてきた。その解決のために、10年前に外国人の割合を人口の5分の1に削減することを決めたが、それは現在のところうまくいっていない。

チュニジア、エジプト、近隣のイエメンの不満を抱えた若者たちが政権を倒そうと町に繰り出した2011年以降、サウジではHafiz(激励)やLiqaat(遭遇)など、雇用者とサウジ人求職者を結びつけるためのさまざまなプログラムが行われた。Hafizプログラム参加者には、仕事に就くまで月400ドルの手当が支払われる。特にNitaqat(領域)プログラムは、外国人労働者をサウジ人に置き換えることを目的としたものである。

2015年12月『サウジ・ガゼット紙』は、民間セクターでは170万人のサウジ人が働き、同セクターの労働力の17%に上ることを報道した。これは、公共セクターの2倍である。

女性肌着とサッチャリズム

ジェンダー不平等、そして厳しい文化的、宗教的な分離の規則のせいで、女性の労働者の割合は人口比とは不釣り合いに低くなっている。しかしこの問題も、Gloworkという就職支援会社を立ち上げた若き起業家カリド・アルコデイアーが取り組んでいる。

彼は、女性肌着店の販売員として女性を雇うところから始めた。聖職者たちから猛反発があるものの、政府はこれを容認している。先日のインタビューでアルコデイアーは、民間セクターで働く女性の数が2010年の4万8,000人から2015年には50万4,000人に増えたと誇らしげに語った。保守的な家族の抵抗も、何としても必要とされる給料を娘たちが持って帰ってくるようになるにつれ消えていった。

Gloworkの成功にもかかわらず、サウジ人の多くが悲惨な状況に直面しており、そしてまた直面し続けていくことになるだろう。

保健医療と教育は、質が低いこともたびたびだが、確かに無料である。また最近までは、水、電気、ガソリンは高い割合で補助金が投入されていた。

しかし一般的なサウジ人にとって、状況は悪化しつつあると言えるだろう。新たな緊縮予算が発表されたが、原油価格の急落によって生じる赤字の可能性をにらみ、補助金は削減されている。

皮肉なことに、サウジ人が買う際のガソリン価格が50%値上がりし、懸念はすでに現実となっている。間もなく水と電気もこの後に続くだろう。

これらの方針は、最貧層に最も重くのしかかりそうだ。英国の『エコノミスト』誌のインタビューにムハンマド・ビン・サルマーン副皇太子は、「補助金の恩恵を受けているのは中流層以下の20%である」と述べているが、これは現実を直視していないものだ。

彼は、彼の政策は「サウジアラビアにとってのサッチャー革命」考えてもいいものかと尋ねられた時、「まさにその通り」と答えた。
[訳注:サッチャリズム(Thatcherism)とは、1980年代に英国のサッチャー首相が実践した経済再生のための処方箋で、財政規律、民営化、規制緩和などで小さな政府を目指した。]

もしもそうなのであれば、サウジアラビアの持たざる人々にとって、今後の見通しは厳しい。

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ポール・アアツは、オランダのアムステルダム大学で国際関係学を教えている。キャロライン・ローラントは、オランダの日刊紙『NRC Handelsblad』の中東担当として30年のキャリアを持つ。この2人の共著で昨年”Saudi Arabia: A kingdom in peril” (Hurst, 2015)が出版された。

2016年3月号NI490p20-21「Poverty in the land of black gold」の翻訳です。cover490.jpg





  1. 2016/04/09(土) 22:13:00|
  2. 貧困・格差
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【翻訳記事】散らかった海のお掃除(オランダ)

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THE OCEAN CLEANUP ウェブサイト



世界のからプラスチックを取り除くための意欲的なプロジェクトが、まもなく開水域で初めて行われる。

ゴミ問題に取り組む組織オーシャン・クリーン・アップの研究者らは、オランダ沿岸23キロメートルの沖合に、100キロメートルにおよぶ浮遊式フェンスを設置する予定だ。

これは、世界の数百万キロメートルのを覆うゴミの除去活動にとって、革命的な手段となる可能性がある。

浮遊式フェンスは、に浮かぶプラスチックゴミを探すのではなく、潮流を利用してゴミを運ばせることを可能にするものだ。

このテストでは、動きを検知するモーションセンサーと監視機能を備えたフェンスを使い、荒れたと強い潮流がもたらすゴミ回収への影響を検証する。もし成功すれば、2016年内に日本で2回目のテストが実施される予定だ。

このプロジェクトは、オランダの起業家ボヤン・スラットが考案し、ずっと以前から環境保護主義者の懸案となっていた課題に応えるものだ。

スラットは、この研究の資金として2014年に200万ドルを超える資金を集めた。これは、非営利クラウドファンディング史上最高額である。

by Beulah Maud Devaney

2016年3月号NI490 p9「Ocean litter-pick (NETHERLANDS)」の翻訳です。cover490.jpg





  1. 2016/04/05(火) 23:12:03|
  2. 環境・資源
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【翻訳記事】「読書会を開いて逮捕(アンゴラ)」

アンゴラのジョゼ・エドゥアルド・ドス・サントス大統領 276px-José_Eduardo_dos_Santos_3 Photo: Agência Brasil (CC BY 3.0 BR)


普通は、単に民主主義について話しただけで、クーデターを画策したと訴えられることはない。それが現実になって身に降りかかったのは昨年6月、アンゴラの首都ルアンダの書店で議論の場を設けたとして逮捕された15人の政治・人権活動家たちである。

彼らは、非暴力の抵抗について書かれた米国の政治学者ジーン・シャープ著『独裁体制から民主主義へ―権力に対抗するための教科書』の読書会を開いたことを理由に、クーデター準備からジョゼ・エドゥアルド・ドス・サントス大統領暗殺に至るまで幅広い罪を着せられた。

多くの社会問題の責任がアンゴラ支配層のエリートにあることを訴えるため、計17人活動家たちがキャンペーンを行っていた。その彼らに対する見せしめの裁判が昨年11月に始まった。被告人のうち数人は、彼らへの扱いに対して不満を訴えてハンガーストライキを実施。その中のひとりが有名なラッパーのルアティー・ベイラオで、36日間ハンガーストライキを行った。このベイラオの行動は、「今すぐ自由を!」と求める抗議が世界中でわき起こるきっかけとなった。そして、政府がクリスマス直前に、活動家たちを刑務所から自宅監禁に移したのは、このことが関係しているのかもしれない。

36年以上にわたって権力を握るドス・サントス大統領の政権は、独裁主義で誤った統治を行ってきたと長い間批判を浴びてきた。アンゴラでは、人権や市民の自由に対するはなはだしい侵害は日常茶飯事である。

30年あまりにおよぶ国を荒廃させた内戦(1975-2002)の後、現在アンゴラはアフリカで経済成長が最も著しい国のひとつで、その原動力は豊富な天然資源、特に石油である。

しかしドス・サントスは、この新たな石油による富を権力掌握のために使用している。GDP(国内総生産)からすれば「中所得国」にあたるアンゴラだが、5歳未満児の死亡率は世界で最も高い水準にある。

この活動家たちの件は、アンゴラの極端な不公正と残忍な統治を世界に知らしめるのに役立った。彼らは、市民からの支援を受けて救済されるべき人々なのだ。

by Marc Herzog

(Amnesty Internationalの関連ページ

2016年3月号NI490 p6「Jailed for reading (ANGOLA)」の翻訳です。cover490.jpg


  1. 2016/04/01(金) 01:33:35|
  2. 市民・ムーブメント
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