NIジャパンブログ

【PDF版】2016年5月号「公正なテクノロジー」メイン記事をアップ


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科学の進歩は、人類にさまざまな可能性をもたらし、宇宙ロケットから臓器移植、遺伝子組み換え作物から携帯電話まで、過去の夢が次々と現実になっています。

私たちの日常は、基礎科学研究が応用された技術(テクノロジー)無しでは成り立ちません。この便利で快適な現代社会は技術に支えられ、「もっと」便利で快適な生活を求め、人々はさらなるテクノロジーの開発にいそしんでいます。

しかし技術の提供は多くの場合、技術を持つ者による一方的な関係を構築します。技術は誰にでも開放されたものではなく、平等に恩恵をもたらしてくれるというものでもありません。

また私たちは、便利で快適な技術が、一方では人類や地球環境に悪影響を及ぼすという経験も積んできました。そしてその悪影響による打撃も、人々が平等に負担したり、受ける恩恵に比例した負担があうるというような仕組みにはほとんどなっていません。

今回の5月号では、社会、経済、政治からは決して自由になれない不平等、不公正なテクノロジーの現実と、少しでも負担と恩恵が平等になるような公正なテクノロジーの方向性について探っています。このPDF版は、そのメイン記事(Keynote)「人間中心のテクノロジーとは」の翻訳です。

Keynoteの英語版は、こちらのNIのウェブサイトで読むことができます。


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  1. 2016/05/30(月) 22:47:04|
  2. 社会・生活

【翻訳記事】「歓迎されるのは遺伝子組み換え支持者だけ ― 国連食糧農業機関の企業フェスタ」

今年2月、国連食糧農業機関(FAO)は、バイオテクノロジーに関する会議をひっそりと開催した。メディアは注目しなかったが、「持続可能な食料システムと栄養における農業バイオテクノロジーの役割」と題したシンポジウムは、100を超える市民団体から非難を浴びた。(1)

その理由は、食料の将来に関して企業が進めるインチキな対応策(農業に関する西洋的な開発観念によってすでに汚染されていた)を支持する方策と見られたからだ。対応策では、気候変動に強い作物、収量が多く栄養価が高い改善された食料といったものが、マジョリティー・ワールド[訳注:世界の過半数の人々が暮らす開発途上国]にとってのバイオテクノロジーのバラ色の未来として示されている。

しかし、これに賛成する人々が目を向けていないことがある。それは、バイオテクノロジー作物が、企業合併で一層の権力集中を進める一握りの多国籍企業によって完全に支配されているということだ。企業が進めるのは、世界の小規模農家の現実にとっては持続不可能な農業の産業化と大量の殺虫剤の使用を必須とするモデルである。またこれは、単一作物栽培によって最終的には生物多様性を増加させるのではなくむしろ減少させてしまう。

ビル・ゲイツ[訳注:マイクロソフト社の共同創設者]の財団は、遺伝子組み換え作物研究への世界最大の資金提供者で、南の国々の農業に対しては世界で5番目の資金提供者である。そして彼のようなフィランソロキャピタリスト[訳注:これは、社会奉仕活動や慈善事業を熱心に行う篤志家を意味するphilanthropistと、資本主義者を意味すするcapitalistとを組み合わせた造語である]は、上述したような企業による「解決策」を好む。(2) では、FAOはどうか?

すでにFAOの本心はあらわになっていた。前回2010年にFAOがメキシコで開催したバイオテクノロジーの会議では、FAOは農民たちの組織委員会加入を妨げ、会議に参加させないようにしようと動いてさえいたのだ。

今回の会議では、遺伝子組み換え生物に批判的な参加者は、パネルディスカッションのゲストとして招聘された1人だけだった。主要講演者2人のうち1人は、物議をかもしているターミネーター種子(このタネから育った作物から採れたタネは収穫時には死んだ状態となるよう操作されているため、農民は毎年タネを購入しなければならない)の熱烈な支持者である。

地元コミュニティーが運営管理する食料システムを支援する団体GRAINのヘンク・ホブリンクは、FAOは優先順位を正しく修正する必要があると考えている。「FAOは、なぜ自らの対応を企業のバイオテクノロジーだけに限定し、小規模農民たちの技術の存在を否定するのでしょうか?」と彼は問いかける。「FAOは、企業にバイオテクノロジーによる対策を推進させるよりも、世界に十分な食料を配分するとともに地球を冷やすための方法として、農業生態系と食料主権を追求するべきです」◆

ディンヤール・ゴドレイ

(1) JOINT SIGN-ON STATEMENT, FAO Symposium on Biotechnology: The biotechnology industry runs the show (PDF)
(2) Global Justice Now, Gated Development, January 2016(PDF)



※2016年5月号NI492p18「Only GM-friendly guests welcome at FAO's corporate-fest」の翻訳です。c492-100.jpg

  1. 2016/05/30(月) 01:27:36|
  2. 健康・食・農業

【イベントお知らせ】6/12「おいしいだけじゃないコーヒー講座」


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真っ赤に熟したコーヒーの実
この中に豆(タネ)が入っています
FCRebelo (CC BY-SA 3.0)


定員に達したため募集を締め切りました。多数のお申し込みありがとうございました。


私たちにくつろぎをもたらし、リフレッシュのお供としても大人気のコーヒー。その褐色の液体は、手軽なコンビニコーヒーであれ、スペシャリティーコーヒー専門店のコーヒーであれ、もともとは一粒の豆から生み出されます。その豆とは、熱帯地方のコーヒー農園で、農民の手によってコーヒーノキから一粒一粒収穫される赤い果実のタネのことです。

生産地から多くの人の手を経て届くコーヒーについて知り、その一粒の豆から広がる世界を楽しみましょう。そして、自分の好きなコーヒーを知るヒントも見つけてください。

コーヒーをもっと好きになる、おいしい+アルファを見つけるコーヒー講座、ぜひご参加ください。

【概要】
日時:6月 12日(日)16時~18時
場所:長専院(東京都江東区三好1-6-3 都営大江戸線清澄白河駅A3出口徒歩3分) 地図
定員:20人
参加費:1500円(コーヒー試飲、スイーツ付)
お申し込み: 募集締め切りました
共催:NPO法人アーユス仏教国際協力ネットワークNPO法人APLAニュー・インターナショナリスト・ジャパン

【内容】
・知る:コーヒーに関する地理や歴史から、農業や貿易まで、知っているとコーヒーをもっと楽しめるトリビア&マメ知識。
・味わう:コーヒーの淹れ方(ペーパーフィルターのハンドドリップ)を見てコツを知り、焙煎による味の違いも体験。さらにちょっとしたスイーツで、より豊かなコーヒーの楽しみ方も提案。
・出会う:私たちの至極の1杯は、コーヒーノキを育ててその実を収穫する農家なしでは味わえません。どんな人たちがコーヒーを作っているのか、東ティモールのスライドを見て、コーヒー栽培と農村の様子を知り、生産者に出会います。

【お問い合わせ】
NPO法人アーユス仏教国際協力ネットワーク
東京都江東区清澄3-4-22
TEL:03-3820-5831 FAX:03-3820-5832
tokyo@ngo-ayus.jp http://ngo-ayus.jp

<前回の参加者の感想~アンケートより>
・もともとコーヒー好きなので興味あるイベントでしたが、生産地の話まで知ることができ、より一層興味深くなった。
・ちょっとしたコツで、明日からおいしいコーヒーが飲めると思うと楽しみです。
・おいしいコーヒーを飲みながら、生産者のことを考えられる良い機会となりました。
・同じ豆で3種類の味を試飲でき面白かった。
・基礎的な話から始めてくれたので、ありがたかったです。
・コーヒーについてだけでなく、東ティモールについてまたさらに知識を深めることができて良かったです。


PDFチラシダウンロード
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  1. 2016/05/23(月) 01:10:19|
  2. イベントお知らせ

【イベント報告】「多文化旅行写真術~写真で伝えるアジアのイメージ2」

暑いくらい良い天気に恵まれ、写真講座「多文化旅行写真術」が先週開催されました。

昨年11月に続き、今回もバングラデシュのフォトエージェンシーDrikの日本代表を務めるコンドカル アニスル ラハマンさんを講師に迎え、2回目となる「写真で伝えるアジアのイメージ」のテーマで実施しました。

今回は、普段はスマホで写真を撮っていてデジカメを触ったのはとてもひさしぶりという方から、普段からフルサイズのデジタル一眼レフカメラで写真を撮っている方まで、幅広くご参加いただきました。

内容は、アニスルさんの講義、街に出ての写真撮影(街フォト)、街フォトで撮った写真の講評、写真の見え方や意味について意見を出し合うワークショップと進みました。

▼最初のセッションでは、先月バングラデシュを訪問した際にアニスルさんが撮った写真を見ながら、その時の状況や撮影方法に関してお話を聞きました。
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▼特に人を撮る時のコツや難しさ、いかにして自分が撮りたいものを撮るかについて、参加者は大きくうなずいたりメモをとっていました。
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アニスルさんのお話が終わった後、池袋の街に繰り出して撮影を行いました。場所は会場周辺でしたが、池袋のさまざまな表情が見られるルートを基本に歩きました。撮影のお題は「文化」。幅広い意味で文化をとらえ、伝えたいことを撮るようにとのアサイメントが出ました。

▼会場を出てすぐ、一部アニメの街と化ししていた場所に驚きながらしばらく進むと、フィリピンから布教活動に来ている人たちに遭遇。話を聞き、活動の場面や記念写真の撮影にも気軽に応じてもらえました。
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▼にぎやかな通りからちょっと古い雰囲気が漂う小路へ。小さな飲み屋さんが連なるため、昼間はまだ眠っているような感じでしたが、その雰囲気に何か見つけたように参加者はシャッターを切っていました。
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▼さらに進むと、今度はサンシャイン60をバックに少しモダンな感じのする小路がありました。自然と吸い込まれていく参加者。
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▼そこでは、小路のお店の人たちが親睦会を開いているのに遭遇。話をして意気投合し、写真を撮らせてもらい、料理も少しいただきました。ごちそうさまでした。
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▼こちらのお店の気さくなおじさんからは、地域のことや人情について語りが入り、本当は座ってじっくり話したいところでしたが、まだ講座途中で時間もないため、後ろ髪を引かれながら小路を後にしました。
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▼ちょっと別世界だった小路からもとのルートに戻って先を急ぎ、相変わらず多くの人でにぎわうサンシャイン60通り。こちらの方が「池袋らしい(イメージ)」といえば池袋らしいかも。
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▼そんな場所の近くに、取り残されたような和風の家。物干しには洗濯物が干してあり生活感が漂います。
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▼その横のこれまた和風の店構えのたこ焼き屋さんでは、電子ガジェットをいじりながらたこ焼きを食べる若者。その姿が店先にはまっていました。
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▼会場に戻る前に、参加者はそれぞれお気に入りに1枚をコンビニで印刷。それをホワイトボードに貼り、その下には撮影者が考えた写真のタイトルを貼っています。タイトルは左から「アルバイト」「パラダイスロスト」「サンシャインの下で」「ともだち2016」「IKEBUKUROまたはいけぶくろ」「まなざし」。各参加者が写真とタイトルの説明をし、それに対してアニスルさんは、構図、見る側の視線の誘導、スペースの効果、シャッターを切るタイミングなど、講評をしました。
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▼最後に、説明&講評前にあらかじめ書いておいた、他の参加者が撮った写真につけたタイトルをそれぞれの写真に下に貼り、意見交換をしました。他の人が自分の写真をどう見ているのか、どの部分に着目しているのかなどが分かり、今後の撮影や表現を考える上でヒントを与えてくれました。
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  1. 2016/05/22(日) 20:54:23|
  2. イベント報告