NIジャパンブログ

【翻訳記事】預金は黒人オーナーの銀行へ(米国)


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OneUnited Bankのウェブサイト。「20人の友達を#BANKBLACKへ誘ってみよう」と書かれている。


米国の黒人たちは、多数公表されている警察官による殺人に対抗するため、経済的な力をつけることに目を向けている。

キャンペーン活動家らは、黒人が所有する全国318金融機関に預金を移動するよう人々に強く呼びかけた。6月に「#BankBlack」というタグがソーシャルメディアに登場し、何千もの預金移動に拍車をかけた。例えばワシントン商工銀行では、2カ月間の新規口座開設数がこれまでの平均100口座から3,000口座に激増し、預金額は600万ドルに上った。

黒人所有銀行としては米国最大のワンユナイテッド銀行は、低所得層と中低所得層に対して1995年から10億ドル以上の融資を行ってきた。同銀行は今回のキャンペーンの成果として、「黒人コミュニティーに対するより多くの仕事、利用しやすい住宅ローン、きちんとしたファイナンス活用のための教育」を挙げた。

またこのキャンペーンは、偏見に満ちた組織、例えば融資の際にマイノリティーを差別して6月に1,060万ドルの罰金を科せられた金融機関バンコープサウスなどから、資金を引き揚げることも勧めている。◆

by トム・ローソン


2016年12月号NI498p9「#BankBlack(United States)」の翻訳です。c498-100.jpg



  1. 2016/12/30(金) 02:25:21|
  2. 市民・ムーブメント

【翻訳記事】課税逃れの偽装ゲーム


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地図をクリックすると本記事の英文ページが開きます。

租税回避はいくつもの対象地が関係する世界的なシステムによって行われており、金融分野での隠蔽と改ざんが何重にも行われる。今回はその対象と、誰が得をして誰が被害を被っているのかを見ていこう。

●米国
米国の資金が海外に流出するのを食い止めるために、米国は自らを最も重要な租税回避地のひとつとして作り上げた。巨大な金融産業は海外資本へ0%課税としており、汚れた資金を磁石のように引きつけてきた。デラウェア州、ワイオミング州、ネバダ州など州法が緩い州では、匿名のペーパーカンパニーの設立は容易である。

●グアテマラ
2013年グアテマラは、資金が違法に海外流出して25億ドル以上を失った。これは、教育分野の公的支出額合計よりも10億ドル以上多い額である。

●パナマ
悪名高い弁護士事務所モサック・フォンセカが拠点を置くパナマは、秘密主義を改めるよう国際社会から圧力を受けるが抵抗し続けている。パナマには現在、35万社の匿名のペーパーカンパニーが登録されており、海外企業は資金を上限なくパナマ国内に移すことができ、税金を払う必要もない。パナマ文書発覚時の改革の試みは、パナマ政府調査委員会のメンバーに就任したノーベル経済学賞受賞の経済学者ジョセフ・スティグリッツが透明性不足に業を煮やして辞任し、機能していない。

●ケイマン諸島
ケイマン諸島は、世界で6番目に大きな金融センターで、その金融資産は1.4兆ドル以上である。11万以上の投資ファンドが拠点を置き、そこには世界のヘッジファンドの半数近くが含まれている。ケイマン諸島の米国の投資額は、中国経済よりも大きいと考えられている。秘密主義に関する法律は非常に厳しく、場合によっては銀行の情報を尋ねるだけで投獄される可能性もある。

●英領バージン諸島
この国の企業登録数は、国民1人あたりに換算すると16社となる[訳注:日本の場合、2015年の商業・法人登記を参考にすると1人あたり0.02社程度]。この小さな海外領土は、世界でも最も簡単に匿名ペーパーカンパニーの登録が可能な国のひとつだ。緩い法律と余計な質問はしない方針の登記法は、実際に利益を得る人々が表面的なダミーを立てて隠れることを容易にする。

●アイルランド
法人税を1桁台に下げる移転価格[訳注:親会社と海外関連会社間の取引価格を操作して、税率の低い国への利益移転を図る]の大胆な形である「ダブル・アイリッシュ」で有名なアイルランド。この国は、アップル、フェイスブック、グーグルといった米国のIT大手のお気に入りである。アップルの低税率をめぐって先日起こった欧州連合(EU)との争いは、法人税回避企業の今後に影響をおよぼす可能性もある。

●ロンドン
ロンドンでは、金持ちの租税回避者たちが資金を隠すために不動産を利用しており、住宅価格が高騰している。市場が好調で固定資産税も低いため、違法な資金を一時的に置いておくには好都合な場所だ。現在平均住宅価格は平均年収の14倍になっている。

●ロンドンのシティ
[訳注:シティは現在金融街として知られるが、古くから商業と金融の中心として役割を担い自治権を有し、現在もロンドン市長とは別に独自の市長がいる。市長は経済・金融に関して独自の外交も行っている。]
王室属領[訳注:英国王室に属するが高度な自治権を持つ地域]と海外領土のネットワークの中心となっている。シティは、世界の大手金融機関の関心事に沿って物事が進むよう後押ししていくことが公式な務めとされている。オフショア[訳注:本国からの規制を受けない海外での金融取引]の世界が活発であり続けるよう「金融の自由」を確保するために、自らが持つ特別な法的特権を使って粘り強いロビー活動を行う。

●ルクセンブルク
ヨーロッパではスイスに次ぐ規模を持つ租税回避地である。緩い金融規制と低い法人税によって、ペプシコやウォルマートといった特に多国籍企業に人気がある。キャピタルゲイン[訳注:土地、債券、株式などの売却益のこと]への税率が低く、配当に対しては非課税であるため、この国はヨーロッパにおける投資ファンド(2兆5,000億ドルという膨大な資産を運用)の中心拠点となっている。

●スイス
改革の圧力にもかかわらず、スイスは依然として金融秘密主義の牙城で、開発途上国からの不正資金のお気に入りの目的地のひとつとなっている。専門家は、2兆3,000億ドル(全オフショア資産の大体3分の1)が、秘密主義のスイスの民間銀行に預けられていると推測している。

●ウガンダ
2010年の税金スキャンダルは、ウガンダの始まったばかりの石油産業を揺るがした。その原因は、英国資本のヘリテージ・オイル・アンド・ガスが、ウガンダの油田を売却した際に4億3,400万ドルの支払いを免れるため、住所をバハマからモーリシャスに移そうとしたためだ。この額はウガンダの1年間の税収の約5分の1に相当するが、長い法廷闘争の末にその一部がようやく支払われた。

●ザンビア
鉱物資源が豊かなザンビアでは、鉱山企業が移転価格スキームを使って税務当局の目をごまかしている。企業の課税逃れにより、ザンビアは年間20億~30億ドルの損失を被っており、それはおよそGDPの10~15%にあたる。国民の74%が1日1.25ドル未満で暮らしているこの国で、その失われた資金があれば、問題を抱える学校と保健医療について政府予算を倍にすることもできたかもしれない。しかしその代わりに、グレンコア[訳注:資源、農業の分野で生産、販売、投資を行うスイスの企業]やベダンタ[訳注:英国の資源会社]、あるいは他の企業の株主のポケットを膨らませることになった。

●ロシア
ロシアの金融資産の半分以上にあたる約2,000億ドルが海外に隠匿されているため、年間10億ドルの税収を得ることができない。租税回避は、特に政治エリートの間でよく行われている。プーチン大統領を含む政府高官の親類や知り合いたちは、オフショアの熱心な利用者である。

●中国
オフショアの対象国としては世界最大規模で、2001年から少なくとも1兆ドルの資金が違法に国外に流出している。これは、習近平国家主席の親類を含む国のエリートたちが、中国税務当局の目の届かないところに資産を移しているためだ。

●香港
自国の税務当局の目を逃れたいアジア資本の集積地として急成長している香港は、厳格な秘密主義の法律と金融規制には無干渉主義で通すという2つの特徴が相まって、汚れたカネを引きつけてきた。香港は、中国本土からの汚れたカネを、外国資本として装って再度中国本土に投資する「ラウンドトリッピング」という手法で知られている。


2016年12月号NI498p24-25「The dissimulation game」の翻訳です。c498-100.jpg





  1. 2016/12/30(金) 02:10:34|
  2. ビジネス・企業

【翻訳記事】黒人アメフト選手の抗議方法

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コリン・キャパニック
tomCC BY-SA 2.0


ひとりの抗議活動がいかにして米国中に影響を与えたのか、マーク・エングラーが解説する。

サンフランシスコ49ersは、米国のアメリカンフットボールチームである。その選手のひとりコリン・キャパニックが、2016年8月26日のグリーンベイ・パッカーズとの試合の直前、有名な決定を行った。彼は国歌斉唱の際、立ち上がらずにひざをついたままの姿勢でいたのである。

キャパニックはその姿勢について、人種差別とアフリカ系米国人に警察が行う野蛮な行為に対する抗議だ、と説明した。彼は、「私にとってみれば、それはアメフトよりも深刻なことです。それに目をつむることは、私にとって過ちになると思います。街中には死体が転がり、殺人者がおとがめなしで大手を降って歩いているのです」と述べた。

しかし中にはキャパニックは愛国心がないと考える人もいる。9.11以来、試合前の国歌斉唱は、愛国心を誇示する行為となっている。そして米国国防総省は、この行為を支えるために、プロスポーツチームに多額の寄付を行ってきた。

もちろん、抗議の方法が間違っているとの批判は常に多数ある。リベラルな人々の中にも、キャパニックは敬意を払っていないと言う人もいる。

しかしキャパニックは、他の試合の前にもひざをつき、彼の主張ははっきりしていた。ニューヨーク・タイムズ紙の記者は次のように書いた。「アメフトの試合を見たことがない人、あるいは国歌を聴いたことがない人、または米国の人種関係について全く知らない人でも、キャパニックの抗議の写真を見せればそれが何であるかを理解するだろう」

そして重要なのは、他の人々がその抗議方法をまねできるということだ。

キャパニックが、最も嫌われた米国のスポーツ選手の仲間入りをしたと思われたころ、ある興味深い現象が起こった。サンフランシスコ49ersの別の選手エリック・リードが同じ行動をとったのだ。彼は言った。「私は彼に知って欲しかったのです。彼と同じように感じているのが彼だけではないということを」

そのほかのアメフト選手も同様の行動をとった。マイアミドルフィンズのアリアン・フォスターは、たくさんのチームメイトに抗議を呼びかけた。カンザスシティ・チーフスのマーカス・ピータースは国歌斉唱の際、1968年のオリンピックの際のブラックパワー・サリュート[訳注:メキシコ五輪の陸上競技の表彰台に立った2人の黒人選手が人種差別に抗議するため、国歌斉唱の間、黒い手袋をした拳を突き上げていた行為のこと]のように、拳を突き上げた。

9月中旬までには、多数の抗議が異なるスポーツでも行われた。女子サッカーのスター、ミーガン・ラピノー(彼女は白人)は、抗議のためにひざをついた。彼女は言う。「私たちの国の問題に関して、有色人種の人々だけでなく、皆で抗議する必要があります」。女性バスケットボールのチーム、インディアナ・フィーバーでは、試合前に全員がひざをついた。

高校のスポーツチームも同様だった。オークランドでは、学校の吹奏楽部が国歌を演奏する時にひざをついた。プロバスケットボールチームのサクラメント・キングスの試合では、国歌を歌う歌手がひざをついた。そしてファンさえもが同じ動作をした。

ニューヨーク・タイムズ紙は、2カ月間に多数のキャパニックが全国でひざをついたと報道した。多くの保守的なアメフトファンはキャパニックに賛同していない。しかし、キャパニックの背番号7番のユニフォームの売り上げは増加した。

社会運動においては、どのような抗議方法が最適なのかということをめぐり、常に議論が起こっている。抗議する人々は、役立つ方法と役立たない方法について話す権利を持っている。

しかし、他人の抗議を批判するだけで自分で何もしないのは、好ましいことではない。キャパニックの例にならった多くの人々は、適切な行動を起こした。あちこちでたくさんのキャパニックが、ひざをついている。

by マーク・エングラー
最近“This Is An Uprising: How Nonviolent Revolt Is Shaping the Twenty-first Century” (Nation Books)が出版された。ウェブサイトはDemocracyUprising.com

この記事は、An American footballer makes a protestのシンプル英語版(Easier English)の翻訳です。

※シンプル英語版はシンプルな英文にするために、単語、文章構造、引用が変更されている場合があります。シンプル英語版の翻訳と英文で概要をつかんだら、今度はオリジナルの英文を読んでみましょう。

参考:こちらのNew York Daily News紙のサイトでは、抗議の姿勢をとる選手たちの写真が掲載されています。
Athletes standing up against social injustice during the National Anthem



  1. 2016/12/27(火) 20:56:34|
  2. 市民・ムーブメント

【翻訳記事】クリスマスプレゼントと世界の工場とスウェトショップ(搾取労働)


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2014年7月にサンフランシスコで行われたアップルに対する抗議デモ。プラカードには「DeathPad(死のパッド)」や「中国からサンフランシスコ湾まで、きちんとした仕事をすべての人に」といった訴えが書かれている。
Annette BernhardtCC BY-SA 2.0


クリスマスプレゼントを昼夜働いて作っているのは、サンタクロースの小さな妖精たちではない。それは、わずかな賃金で働く中国人労働者たちだ。アモーグ・ウカエフが報告する。

クリスマスのテレビCM。それは、電子機器、衣類、おもちゃなどの商品を買いたくなるよう視聴者の購買意欲をそそる。

クリスマスには3つの特徴がある。広告と商業主義、買い物と消費、そして西側経済へのより多くのカネの流入だ。2015年、英国の小売業界のクリスマスシーズンの売上は、240億ポンド(約300億ドル)を超えた。これは、ネパールやホンジュラスの国内総生産(GDP)を上回る。この熱狂的な消費は、私たちの購買意欲を増進する広告、マスコミ、ソーシャルメディアの影響だ。

米国では、「ブラックフライデー」や「サイバーマンデー」といった特別なセールの日が作られている。現在それはヨーロッパにも広がった。クリスマス前とクリスマスから新年にかけては、1年でも最も消費が高まる時期になっている。

昨年のセールの週末には、英国人は33億ポンド(41億6,000万ドル)の買い物をした。多くの人々がオンラインショッピングを利用し、サイバーマンデーには、9億6,800万ポンドという途方もない金額が使われた。そして小売業大手(Argos、Tesco、John Lewis)のウェブサイトは、容量を超えてダウンしてしまった。また運輸会社は、オンライン注文された品物の配達を、全部は受け付けられなかった。

 現実世界の妖精たち

サンタクロースの工房で楽しそうに働く小さな妖精たちを思い浮かべてみる。そのイメージは、工場で働く労働者の状況とかけ離れている。世界のおもちゃの80%は中国で作られており、一般に普及しているおもちゃのほとんど全部に「中国製」と記されている。西側諸国の街中でクリスマスソングが流れるずっと前から、その「小さな妖精たち」(彼らは現実世界の中国人労働者だ)は、たくさんの商品を作るために日夜働いている。

中国の玩具工場は、年間28億ポンド(35億3,000万ドル)の玩具を英国に販売している。しかし大手ブランド(例えばレゴやディズニーなど)は、英国内の小売価格に比べるとわずかな代金を工場に支払っているにすぎない。また、おもちゃの価格には、社会的、環境的なコストは含まれておらず、この状況は搾取である。

しかしスウェットショップ[訳注:低賃金、劣悪な労働環境・条件で労働者を働かせて搾取する職場や労働のこと]はおもちゃだけではない。電子機器や衣類でも同様だ。多くの人々がアップル、アマゾン、サムスンのガジェット[訳注:興味をそそられる小型電子機器]を欲しがる。しかしこれらの企業は、ナイキやトップショップ[訳注:英国のファストファッション企業]といった他の有名ブランド同様に、労働者の権利を(サプライチェーン[訳注:製品の原材料からそれが消費者に届くまでの一連の過程]のどこかで)ないがしろにしている。サムスンは、労働者に有毒な化学物質を使用させたり、労働組合を結成しない契約をアジアでは結んでいたとして非難を浴びていた。アップルは、自殺者を出すほどの厳しい職場や労働環境に対して非難を浴びていた。バッテリーを内蔵する機器の50%以上が、コンゴ民主共和国の「紛争鉱物」(コルタン等の鉱物は紛争の資金源となっている)を使用している。

労働者の扱いはひどいものだ。危険な職場環境の中、超低賃金で長時間働かされ、言葉だけでなくしばしば身体的、性的な暴力も受け、基本的人権が守られていない。

世界の多数の工場労働者は、クリスマス商戦に十分な商品を供給できるよう、非常に辛くうんざりするような毎日を送っているのだ。

 行動しよう

クリスマスの時期にもっと買い物をすることは、スウェットショップ労働者を増やすことになる。しかし、購入者に責任を負わせることは誤りだ。そのような商品を購入する多くの人々は、長年給与が上がっていないのかもしれず、金銭的な余裕がなく、安い商品を選ばざるを得ないのだ。Fairphone[訳注:紛争資源を使用せず、スウェトショップでない工場で生産したスマートフォン。また、それを開発、販売しているオランダの社会的企業の名称。]のような商品は高価で、ノートPCでもデスクトップPCでも、パソコンでは「フェア(公正)」な選択肢は存在しない。

スウェトショップは、工場で働く女性により力を与えると言う人もいる。あるいは、貧しい人々に賃金を与えるこができると言う人もいる。しかし場所によっては、スウェトショップでの労働は奴隷労働のようなものなのだ。もしそこに搾取があるのであれば、そこから利益を上げるのは間違っている。

しかし、もし私たちが「地元製を買う」だけにしたら、南の国々の労働者を支援することはできないだろう。多くの労働者たちがスウェトショップで働くのは、他に収入を得る選択肢がないからである。

この問題に取り組む最善の方法のひとつは、労働者を組合に加入させることだ。そうすれば、彼らはより良い賃金と労働環境を求めて闘うことができる。そんなことをすれば工場はつぶれてしまうと言う人がいるが、それは真実ではない。

バングラデシュが好例だ。バングラデシュでは、2013年のラナプラザビルの崩壊で1,000人以上の労働者が死亡したが、その後20カ国以上の多くの衣料品企業(例えばアディダスやプライマーク[訳注:英国のファストファッション企業])が「バングラデシュにおける火災予防および建設物の安全に関する協定」に署名した。この協定に基づき、現在は1,592の工場が立ち入り検査を受けている。

バングラデシュの最低賃金は、依然として世界最低であるが、それも1カ月38ドルから68ドルに大幅に上昇した。その理由は、抗議活動と労働者が不満を訴えたからだった。

このように、バングラデシュの工場は現在もつぶれずに稼働している。世界では現在、もっと多くの労働者が、より良い賃金と条件のために闘い、仕事を失うか、または警察から弾圧されるかというリスクを負っている。

だが、搾取労働は依然として存在する。私たちは連帯を示す必要がある。1911年、トライアングル・シャツウエスト工場で火災が起こった。このニューヨーク市の工場火災では146人の労働者が死亡した(ニューヨークと米国の労働者は、この火災の後に基本的な権利と保護を手に入れた)。それから100年たつが、私たちは依然として南の国々の人々への同じ基本的な権利と保護を求めて闘っており、このような状況は受け入れがたい。

搾取労働を違法とする法律は現在効果的ではなく、無視されてしまうことも多々ある。労働者の権利の獲得を保証するための政策と法律は不十分で、政府は世界人権宣言を具現化する努力を怠っている。それは、工場を持つ国の政府、製品を買う国の政府どちらもである。従って、この問題に関しては政府にも企業にも責任がある。グローバルな義務は、世界で最もぜい弱な人々の人権の擁護に失敗している。

搾取労働をなくすことは難しいが、それは可能だ。私たちに必要なのは、世界そして各国においても、労働者、企業、政府、消費者などすべての段階で変化を求めることだ。

私たちがMaquila Solidarity Network、Worker Rights Consortium、Electronics Watch、SweatFree Communitiesなどの団体を支援すれば、その団体は、私たちのクリスマスプレゼントが確実にスウェトショップ製でなくなるよう闘っている人々を支援できる。

by アモーグ・ウカエフ

The dark side of Christmas: sweatshops By Amoge Ukaegbuのシンプル英語版(Easier English)の翻訳です

※シンプル英語版はシンプルな英文にするために、単語、文章構造、引用が変更されている場合があります。シンプル英語版の翻訳と英文で概要をつかんだら、今度はオリジナルの英文を読んでみましょう。


  1. 2016/12/23(金) 20:54:56|
  2. ビジネス・企業

【翻訳記事】反移民で結束するヨーロッパ


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ハンガリー南部のSzeged難民キャンプ
Martin LeveneurCC BY-ND 2.0


欧州市民社会は、難民に対するハンガリーの姿勢をこれまで率直に非難してきた。

ハンガリーではビクトル・オルバン首相による反移民キャンペーンが行われてきたが、10月2日の国民投票(投票率40%)では、投票者の98%が「ハンガリーの外国人受け入れ分担」に反対した。

この問題に関心を持つ人の多くはこの国民投票を、「古いヨーロッパ」とヴィシェグラード諸国(ハンガリー、チェコ、ポーランド、スロバキア、以下V4)間に横たわる深い溝の象徴と見る。

V4の難民受け入れへの消極姿勢は欧州連合(EU)の「価値感」とは相容れないものだ、と彼らは言う。

しかしV4のリーダーらは、庇護を求める人々の移動の自由を否定し、彼らをシェンゲン圏から可能な限り遠く離れた場所にとどめておくことを目指し、できれば収容所に収容するという国境管理の主要原則を盾に強気である。

2015年末の数週間、ドイツとオーストリアが「バルカンルート」からの難民に国境を開いたが、それに反対したのはV4だけではなかった。

その歓迎政策は難民に関する欧州ルールを全て破り、EUの中心地域とさまざまなメンバー国は真にパニックと呼ぶべき状態に陥った。

今年2月、マニュアル・ヴァルス仏首相はミュンヘン訪問の際に、「難民をこれ以上受け入れることは不可能だ・・・。これまで議論し交渉してきたこと、つまり『ホットスポット(難民関連手続きを行う難民管理センター)』運用や対域外国境監視などを実行する時が来た」とメルケル首相に非難めいた口調で話した。その言葉は、EUの創設理念に含まれる他国に庇護を求める権利をEUが20年以上にわたっていかに踏みにじってきたのかを、私たちに思い出させてくれるものであった。

EUは、庇護を求める権利よりも国境管理を重んじ、祖国を追われた人々がジュネーブ条約や国際協定に沿って難民申請手続きを行うことを妨げてきた。

ヨーロッパの規則、特にダブリン規約は、祖国を追われた人々を「到着国」に集結させて次の国への移動の自由を制限する。ドイツ国境が再び閉鎖され、メルケル首相が他の欧州諸国とこれまでずっと共有してきた元の方針に戻った後は、イタリアやギリシャに向けて、EUの「安全」が確保できず、「難民流入」に不十分な対応しかできていないことへの非難や不平、不満の言葉をぶつけることができた。

欧州委員会が2015年春から推し進め、2016年2月から積極的に運用したホットスポットは、「移民危機」の解決策を提示したものだった。それはつまり、欧州諸国から職員を派遣して移民の身元確認と手続きの優先度を決めるキャンプをギリシャの島々やイタリアに開設し、海を渡ってEU国境にたどり着く難民をもっと多数追い返そうとするものである。このような目的を追求するため、トルコを「安全な国」として認定し、2016年3月にレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と協定が結ばれた。欧州委員会は「送還者」数を増やす方向で、「経由国」や「出身国」からより一層の協力を得ようと数カ月の間議論を行ってきた。

次の国への「移送」策そのもの、つまりギリシャやイタリアに到着した庇護を求める人々をEU諸国間で受け入れ分担するという暫定ルール自体でさえ、ホットスポット運用が押しつけられて変更されてしまった。

2016年9月26日、当初見込まれていた数の10%にも満たないわずか5,600人が「移送」された。同日、誰もが劣悪この上ないと批判するギリシャのキャンプに6万人以上が押し込まれた。今後、「移送」人数は減少しそうである。開始後すぐに、移送策は失速してしまったのだ。

7月、国連人権高等弁務官は、エーゲ海諸島が「広大な抑留地帯」になってしまったことに懸念を示した。2016年の始めから数えても、エーゲ海では4,000人以上の人々が死亡した。このようにエーゲ海が広大な墓場と化した後、ギリシャはヨーロッパの政策によって収容キャンプ列島に変えられつつある。

この状況は、人権擁護を訴える人々にとっては衝撃だった。しかしそれは、EU域外に難民抑留施設を作って管理する方がむしろ好ましいと考える多くの国の指導者たちの間にも不安を広めた。ビクトル・オルガン首相は9月24日、英国のトニー・ブレア元首相の2003年の提案を持ち出し、難民を送るべき場所として「EUが資金を出して警備も行う大規模難民キャンプを作るべきだ」、難民は「難民申請審査期間中そこで待機することを義務づける」べきだ、と述べた。彼の言葉は深刻に考える必要がある。ハンガリーはシェンゲン圏において国境を実際に封鎖した最初の国だったかもしれないが、その後その方法は他国にも取り入れられ、特にフランスと英国で顕著になっているからだ。

ハンガリーがセルビアとの国境沿いに「反移民の壁」を築いた時、当時のフランスの外相ローラン・ファビウスは、「動物用にも張らないような場所に人間用のフェンスを張るなど、ヨーロッパの価値観を尊重してない」と述べた。

しかし、キャンプと壁の世界を推し進めるのはハンガリーの首相のプロジェクトだけではない。それは20年にわたってEUとその加盟国を含む多くの国々によって進められてきた移民政策の主要な特徴でもあるのだ。

本稿は、Open Democracyに2016年10月11日に掲載された記事に加筆、修正したものです。

エマニュエル・ブランチャード
移民の疎外化や送還、国境封鎖、移民管理を国外で実施する政策に反対するヨーロッパとアフリカ間のネットワーク、Migreuropの会長。


NIブログ記事"Europe: united against refugees"の翻訳です。

翻訳協力:斉藤孝子


  1. 2016/12/11(日) 10:53:26|
  2. 暴力・平和・人権