NIジャパンブログ

【翻訳記事】苦いブドウを甘くする(南アフリカ)


20170129ロバートソン
ロバートソンのワイン
Daytona WinosCC BY 2.0


南アフリカの西ケープ州にあるロバートソン・ワイナリーで、労働者ストライキが成功した。南アフリカ政府はこの結果、南アフリカのいくつかのワイナリーのアパルトヘイトのような状態について調査せざるを得なくなった。

ブドウ園労働者は、低い給与、人種差別、殺虫剤が原因の病気を耐え忍んでいる。労働組合に加入する、あるいは不満を訴えた労働者は、解雇される可能性がある。しかし、政府に保護策はない。

「1994年[アパルトヘイトの撤廃]から状況は悪化しています。彼らはまやかしを隠そうとしますが、人々が奴隷のように扱われていることはあなたにも分かるでしょう」。こう説明するのは、14週間にわたるストライキを昨年11月に成功に導いた「商業・港湾荷役・農業とその関連産業労働組合(CSAAWU)」のトレバー・クリスチャン事務局長だ。

このストライキ参加者の状況は、おぞまし現実を暴いたデンマークのドキュメンタリー『Bitter Grapes』(苦いブドウ)で広まった。その後ボイコットが起こり、ロバートソンのワインは南アフリカからスカンジナビアまで、店頭から消えたのである。

CSAAWUは、ストライキを画期的な勝利と考えている。彼らは生活に十分なレベルの賃上げは達成できなかったが、すべての労働者に過去にさかのぼってかなりの増額分が支払われることになり、年間のボーナスも出るようになった。さらに、ストライキの指導者たちが懲罰を受けることもない。現在CSAAWUは、他のワイナリーで闘っているという。

クリスチャン事務局長は言う。「ワイン業界は変わらなければなりません。政府は、奴隷状態の実情について調査を余義なくされました。全国のワイナリーで働く労働者たちは、ロバートソン・ワイナリーの労働者たちの功績に刺激を受けるでしょう」◆

by ピーター・ケンワーシィー(Afrika Kontakt


2017年1/2月合併号NI499p7 Bitter grapes sweeten (South Africa) の翻訳です。c499-100.jpg



  1. 2017/01/29(日) 16:39:00|
  2. ビジネス・企業

【翻訳記事】「水破産」は現実になるのか(イラン)


20170129ピスタチオ
イランの古い商都タブリーズのバザールで売られているピスタチオ
Adam JonesCC BY-SA 2.0


イランで原油に次ぐ輸出品はピスタチオである。しかし何年も続く干ばつで水不足となっており、ピスタチオ栽培農家の将来に暗雲が立ちこめている。

水危機は全国的に悪化している。イランの環境政策専門家カーヴェ・マダニは、イランは川や湖といった地表水を使いつくした上に地下水資源も70%減少し、「水破産」に直面していると述べる。

水不足の原因は、お粗末な管理、非効率な農業セクター、急激な人口増加であるが、現在状況は気候変動によって一層悪化している。イサ・カランタリ元農業大臣によれば、砂漠化によって早ければ2030年にはいくつかの州で人が住めなくなり、政府が緊急に行動を起こさなければ、すでに水が不足が起こり人口密度も高い地域に人々が移動する可能性がある。

イランが危機を乗り越える試みとして大きく頼っているのが、技術的な解決策である。政府は、干ばつが起こっている地方に脱塩化(海水の淡水化)した水を送る大規模なプロジェクトを計画している。

そんなプロジェクトには、カスピ海から水をくみ上げて460キロメートルの地下管路を通して町に送るというものや、4,700万人の飲料水を確保するためにペルシャ湾とオマーン湾から水を送るというものもある。

環境問題専門家は、このようなプロジェクトは生態系を破壊する可能性があると警告する。脱塩化プロセスからはブライン[訳注:濃縮塩水のことで、塩分濃度が高いだけでなく、もともと海水に含まれていた汚染物質も濃縮されてしまう]という廃棄物が生じるが、すでにいくつかの海水淡水化プロジェクトではそのブラインがペルシャ湾に排出されており、海洋生態系を変えたり地元漁民の生活にも脅威となっている。

マダニは、より持続可能な解決策は人々の節水を後押しすることだと考えている。

一方ピスタチオ栽培農家は、水不足の対策として革新的な方法を模索している。農民の多くは、栽培する作物の種類を多様化し、耕作地を縮小し、効率的なスプリンクラーや点滴かんがい技術などを取り入れている。◆

by リディア・ヌーン


2017年1/2月合併号NI499p6 Water bankruptcy looms (Iran) の翻訳です。c499-100.jpg



  1. 2017/01/29(日) 16:22:28|
  2. 環境・資源