NIジャパンブログ

【翻訳記事】狙われる環境活動家(メキシコ)


170507Baldenegro.jpg
殺害されたイシドロ・バルデネグロ・ロペス(一番右)
画像をクリックするとゴールドマン環境賞のページが開きます


ほとんどのメディアは、メキシコで増加している麻薬関連の殺害の中でも、耳目を集める大量殺人に注目する。例えば、ゲレロ州で43人の教育実習生が「行方不明になった」事件や、観光客が不幸なことに銃撃戦に巻き込まれた事件だ。このうちの後者としては、普段は平和なユカタン半島のプラヤデルカルメンで1月に開催された大規模な国際電子音楽祭のバーにおいて、5人の無関係な人々が射殺されたという事件があった。しかしあまり知られていないところでは、活動家、特に環境活動家の計画的殺人が、ほとんどの場合は目立たない地方で起こっている。このような殺人を計画してカネを払った連中に、裁きが下ることはない。

1月にまさにそのような事件が起こった。犠牲者は、メキシコ先住民の活動家で、ゴールドマン環境賞[訳注:環境保護に功績のあった草の根活動家に送られる賞]受賞者のイシドロ・バルデネグロ・ロペスである。彼は、出身地のチワワ州のシエラマドレ地域で、古代の森林を違法伐採から守る活動を行っていた。51歳のバルデネグロは、南チワワの遠隔地にある叔父の家を向かう途中に銃で殺害された。ぶれることなく環境キャンペーン活動を行っていた彼は、その活動のために殺害予告を受け、地元から他の場所へ避難したこともあった。1980年代には、今回と同じ森林伐採の脅威に反対していた彼の父親が暗殺された。ガダルーペ・カルヴォ地域では、昨年このほかに4人の活動家が殺害されている。

栄誉あるゴールドマン環境賞は、南の国々でのリスクの高い草の根レベルでの組織化を行っている人々に贈られることも多い。彼らが行っているのは、資源開発経済を支配する者たちが起こす略奪的開発行為から、自然環境の搾取を防ぐための活動だ。近隣のホンジュラスで別のゴールドマン環境賞受賞者であるベルタ・カセレスが、物議をかもしているダム開発に反対していたため殺されてから、まだ1年もたっていない。明らかになっている世界の環境活動家の殺害は、75%近くが中南米で起こっており、2014年以来、116人が殺されている。◆

by リチャード・スイフト

2017年4月号NI501p9 Murders most foul (MEXICO) の翻訳です。



  1. 2017/05/07(日) 10:11:00|
  2. 暴力・平和・人権