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【翻訳記事】「もう政党なんかいらない」(メキシコ)


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チェランの中央広場
Eneas De Troya (CC BY 2.0)


メキシコのミチョアカン州にあるチェランの町には、約1万8,000人が住んでいる。この州では、以前から麻薬カルテル同士の抗争が続き、コミュニティーを守るために武装する人までもが現れている。

2007年から2011年にかけて、チェランの役所は伐採者たちに1万ヘクタールにわたる伐採許可を与えてきた。この違法ビジネスは、麻薬やアボカド栽培の土地を求めていた麻薬カルテルによって守られたおかげで繁盛した。

森林を守るために闘った地元の活動家たちは、殺害、「行方不明」、あるいは脅迫されたりした。役所が活動家たちの苦情を無視したため、チェランの住民たちはすぐさま自分たちの手で対応すべく立ちあがった。

2011年4月15日、武器を持たない女性たちが重武装した伐採者たちの行く手を阻んだ。周囲の町の人々もすぐに同じ行動に出た。それぞれがたき火をして団結し、安全、正義、地域パトロールを呼び掛けた。政治家たちが地域の人々の懸念に全く関心を示さなかったため、「もう政党なんかいらない」がすぐさま掛け声となった。

そしてチェランで法廷闘争が起こり、人々は政治的な自律を勝ち取ったのだ。2011年12月、政党の参加なしで地域の人々が住民協議会委員を選出する選挙を行った。人々は、政治家よりも市民の方が、より長期的な幸福の達成に向けた意志を持っていると考えたのである。

それ以来地元の人々は、コミュニティー集会を開いて自治を行ってきた。近隣の人々が集まるたき火やミーティングで長老委員会メンバーを選出した。長老委員会は、一般投票での決定事項を単に実施するという役割を与えられている。ある人は、「唯一権力を持っているのはコミュニティー集会」で、長老委員会のメンバーはコミュニティー集会でいつでも解任できる、と強い調子で述べた。

チェランでは、これまで数百万本の木々が植えられた。そして育苗所、レンガ工場、大工工房、メキシコでも最大級の雨水ダムもできた。これらの収益はコミュニティーで管理されている。地域は、パトロールと毎日200近いたき火集会で守られている。

チェランは、メキシコの人々の手で行われている権利強奪への反対活動と自らの運命を自らで決める活動の一例にすぎない。しかし、このオルタナティブな未来のための民主的なプロジェクトと日々の闘いは、抵抗の刺激的なシンボルとして急速に認識されるようになってきている。

ある地元民は、チェランの外の人々に次のようなメッセージを送ってくれた。「私たちは、私たちの土地、人、水、大地、樹木を守ることで、自分たちの責務を果たしています。私たちの活動が、他の人々の刺激になることを望んでいます」◆

by オサ・サビオ


2016年6月号NI493 p6「'No more political parties' Mexico」の翻訳です。c493-100.jpg


  1. 2016/06/27(月) 07:43:19|
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