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【翻訳記事】「実践がともなわない法律(ケニア)」

ダニエル・イルングと彼の友人のジョン・ンデグワは、毎晩一緒に中古の靴を集め、会社員が帰宅してしまうまでに商品が売れることを期待し、ナイロビ中心部のビジネス街に向かう。その時間帯に1足も靴が売れなければ真夜中過ぎまで街で売り歩き、帰宅して次の日の夜に再び街に出て来られる程度のお金が集まるのを待つ。

だが最も心配なことは、靴が売れるかどうかではない。アスカリス(地域の取締機関)に捕まって留置場に一晩収容され罰金をとられることである。

「私たちはとても大きなリスクを抱えています」と3人の子どもの父親であるイルングは言う。「アスカリスはならず者のようなやり方で仕事をし、路上の商売人たちはしばしばけがをします。逮捕をする途中で死んでしまった人もいました」

2012年ケニアでは、建前上はダニエル・イルングのような人々を守るための小規模企業(SME)法ができた。この法律は、小規模な商売人とそのビジネスを認め、彼らが守られ適切な環境でビジネスができるよう定めたものである。そしてまた、登録事務所の開設、SME局による業界への規制と資金提供、商売人と地域行政間でのトラブル解決のための仲裁機関の設置を規定している。

ではなぜ、路上の商売人たちは逮捕されたり追い立てられたりするのだろうか? ケニア・ナショナル・ストリート・ベンダーズ&インフォーマル・トレーダーズ(KENASVIT)の全国コーディネーターであるフランシス・カペラによれば、SME局は設置されたとはいえ資金不足に陥っており、それが「この業界に役立つように働けない理由」とのことだ。

「SME法の中身は良いが、施行して3年たっても何も実施されていません。私たちへの融資は実施されておらず、商売をする場所や設備の整備も実施されておらず、嫌がらせは続いています。実質的には法律が存在しないのと同じことなのです」とカペラは嘆いた。

by Maina Waruru

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※2016年1/2月合併号NI489 p9「An Act without action(Kenya)」の翻訳

  1. 2016/03/09(水) 22:43:52|
  2. 貧困・格差
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